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The House of Happy Spirits by Geraldine Elschner and Lucie Vandevelde

人も建物も植物も一緒に暮らしている

The House of Happy Spirits
by Geraldine Elschner and Lucie Vandevelde
オーストリアの有名な建築家、フンデルトヴァッサーをご存知ですか?大阪の舞洲ごみ処理場も彼のデザインですが、遊園地のようで、おどろいた人も多いのではないでしょうか。

この絵本は、フンデルトヴァッサーのデザインにインスパイアーされて作られました。ウィーンの Hundertwasser House にまつわるお話です。

ウィーンで仲良く暮らすMaya, Leo, Lea の兄弟。美しいオウムのTokyoも一緒です。みんな、家の向かいの空き地の大きな木が大好きでしたが、ある日、ブルドーザーが何台もやってきて、工事が始まり、近寄れなくなってしまいました。

木は切り倒されてしまうのでしょうか。心配していると、ブロックで壁がどんどん積み上げられていって、ついには木が見えなくなってしまいました。でき上がっていく建物は、とてもカラフルで、なんだか楽しげ。窓はぜんぶ違ったデザインで、チェックの模様があったり、縁取りがされていたりします。

兄弟も、まねをして、壁や窓に色を塗りました。カラフルになった町は、新鮮な風が吹き込んできたようです。

フンデルトヴァッサーは、環境活動家としても知られ、自然と一体化した建築を目指しました。まっすぐな線や無機質なデザインを嫌い、窓や柱もすべて異なる形や色にしました。建物のあちこちに緑を取り入れ、時間とともに、外観は植物におおわれていきます。人だけでなく、植物も一緒に暮らしているのです。


先月末に舞洲の工場を見学することができました。初めて遠くから眺めたときは、奇抜なデザインに見えましたが、2001年の竣工から20年以上たったためでしょうか、緑に覆われた建物は、とても素敵でした。
縦のラインは、ごみ焼却の炎を表しているそうです。金色の丸いものを上に配置するのが良いということで、たくさんの金色のボールがアクセントになって、お城のようでした。

ごみ処理のお話もとても興味深く、ごみを減らさなければいけないな、と普通に実感しました。見学はインターネットで予約できます。お庭の一部は、予約なしでも入ることができます。
絵本では、建物や機械も擬人化されて、不思議な生き物になっています。ウィーンの Hudertwasser Houseは、一階の周囲にカラフルな柱が配置されていて、本当に足がついているみたい。

カラフルで楽しげなイラストは、眺めていると、元気になってきます。表紙は、写真では分かりづらいですが、建物が金色でふち取りされていて、キラキラしてとても綺麗。色鮮やかな中でも落ち着きがあって、配色のセンスも感じられます。
The House of Happy Spirits: A Children's Book Inspired by Hundertwasser
by Geraldine Elschner, illustrated by Lucie Vandevelde
Publisher: Prestel
profile
谷津 いくこ
絵本専門士

絵本を原書で読んでみませんか?アートな絵本、心が豊かになる絵本、英語圏の文化に触れられる絵本などを紹介します。
StoryPlace
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