HOME  Review一覧 前のページへ戻る

修養(新渡戸 稲造)

一番大切なことこそ誰にでもできる

修養
新渡戸 稲造 (著)
これは知人に勧められて手にしたのですが、非常に内容が濃く読破するのに時間がかかりました。

自らの未熟さを見つめる良いきっかけになった幾つかをご紹介します。

(本文p.242より)
徳の貯蓄はいかなる人、いかなる位置においても、行わんとする意志あれば、必ずできる。…僕は常に思う、一番大切なことは何人にもできることである。

境遇に応ずる力は、各自に出すことができるにかかわらず、人はややもすれば自分の力を出す事を怠りながら、自分の目的の達せられぬ理由を自分以外の事情に帰する傾きがある。
まだまだ人間力が足りない…。

常々そう思います。

そのためには外的な要因がいるのではないか?

「自分では操作できない力」のようなものをただ待っている感覚がありました。

しかし、それは甘えだったと痛感します。

“一番大切なことこそ誰にでもできる”

その言葉にドキッとしました。

同じことでも受け取り方次第。

有難い成長の糧が含まれているはずなのに、なかなか転換できない自分がいます。

(本文p.336より)
順境は前にも述べたごとく、自分と周囲との関係である。ゆえに周囲を代えることができぬとしても、自分の立場を代えれば、逆境もこれを順境に転じ得ることがしばしばある。

しかるに我々凡人は、自分の位地を代えることを考えないで、外部の状態やら、他人を代えることのみを考える。

しかして外部を代えることができぬ時は、天がせっかく順境を与えても、それを逆境視するものが多い。
この言葉は大きな目で物事を捉える重要さを気付かせてくれました。

分かっているけど手を付けずに後回しにしていること。

「忙しい」を隠れ蓑にしない。

課題に取り組むべき時が来たように思いました。
修養
新渡戸 稲造 (著)
KADOKAWA
当代一流の国際人であり教養人だった新渡戸が記した、実践的人生論。人としての礼節や心構えはもとより、「不向きな職業を選びて失敗した実例」「打ち明けて頼めば反対者も同情する」「名誉を毀損された時の覚悟」「新刊書はいかにして読むか」など、日常的な事例をふまえた、啓蒙的内容に富んでいる。百年読み継がれてなお、現代日本人に多くの示唆をあたえる、不朽の教養本。現代表記で読みやすい文庫決定版。 出典:amazon
profile
植木 美帆
チェリスト

兵庫県出身。チェリスト。大阪音楽大学音楽学部卒業。同大学教育助手を経てドイツ、ミュンヘンに留学。帰国後は演奏活動と共に、大阪音楽大学音楽院の講師として後進の指導にあたっている。「クラシックをより身近に!」との思いより、自らの言葉で語りかけるコンサートは多くの反響を呼んでいる。
Ave Maria
Favorite Cello Collection

チェリスト植木美帆のファーストアルバム。 クラッシックの名曲からジャズのスタンダードナンバーまで全10曲を収録。 深く響くチェロの音色がひとつの物語を紡ぎ出す。 これまでにないジャンルの枠を超えた魅力あふれる1枚。 ⇒Amazon
HP:http://www.mihoueki.com
BLOG:http://ameblo.jp/uekimiho/
⇒PROページ
⇒関西ウーマンインタビュー記事