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My First Book of Feminism for Boys by Julie Merberg

フェミニズムを子どもたちと考える

My First Book of Feminism for Boys
by Julie Merberg, illustrated
by Michéle Brummer Everett
今回ご紹介するのは、”My First Book of Feminism for Boys” 子どもにフェミニズムをやさしく説明した絵本です。

“for boys” とありますが、男の子だけに向けた内容ではありません。

「フェミニズム」という言葉は、英語でも意味に幅があるようですが、ここでは、単純に "the equality of the genders"「男女同権」という考え方です。

子どもが性別によるステレオタイプに囚われないように、シンプルな文章と可愛らしいイラストで語りかけています。
As soon as you’re able, you can do simple chores.
Make your bed. Take the trash out.
Fold Landry. Seep floors.

There aren’t girl jobs or boy jobs…
do what you can do
It’s nobody’s job to clean up after you!
「ベッドメイキングをしたり、ゴミを出したり、洗濯物をたたんだり、床をはいたり、 できることをお手伝いしましょう。

仕事に、男の子の仕事、女の子の仕事の区別はありません。 自分のあと片付けをするのは、自分の仕事です。」というような意味でしょうか。

とっても当たり前のことだけど、素敵じゃないですか?


先日、ある日本のロングセラーのシリーズ絵本の原画展を見に行きました。

とても繊細でキュートなイラストのもので感激したのですが、女の子のキャラクターが、皆のお料理を一手に引き受けているのにがっかりしました。

ジェンダーの有害なステレオタイプ、軽く考えないようにしたいです。


世界経済フォーラムが公表しているジェンダーギャップ指数(2019年)、日本は153カ国中121位!突出して低い順位ですね。

中国106位、韓国108位と比べてもさらに低い。

これは、経済、政治、教育、健康の4つの分野のデータから作成されたスコアの順位で、日本のスコアが経済と政治で特に低いのも頷けます。
Be respectful. Be kind. Be fair. And here’s why.
Because women are holding up half of the sky.
女性も、この社会の担い手です。次世代の子どもたちは、女性に敬意を持って接することができるように育って欲しいですね。


著者の Julie Merberg は、出版社 Downtown Bookworks の創業社長でもあります。

4人の男の子を育てた母親であり、他にも多くの絵本を手がけています。会社のミッションは、 To raise a new generation of book lovers.

私は著者から元気をもらうことができましたが、みなさまはいかがでしょうか。

フェミニズムについて少し考えるきっかけになれば嬉しいです。
My First Book of Feminism for Boys
by Julie Merberg, illustrated
by Michéle Brummer Everett
Publisher: Downtown Bookworks
profile
谷津 いくこ
絵本専門士

絵本を原書で読んでみませんか?アートな絵本、心が豊かになる絵本、英語圏の文化に触れられる絵本などを紹介します。
StoryPlace
HP:http://www.storyplace.jp
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